sakuma51’s blog

川崎市からみんなに役立つ情報発信をします。

成田氏からの11月16日付メール その1

11/8の米中間選挙が終わって1週間が過ぎた。まだ開票作業が続いて最終結果は出ていないが、マスコミの論調や巷で言われていることは、民主党が予想外に善戦し、共和党の圧倒的な勝利には至らなかったということだろう。しかしこれは、2020年に起きたことが、再び起きてしまったのではないかという疑惑がある。事前に言われていた共和党の波(レッドウェーブ)は起きなかったが、それは何故なのか。 この原因については、既に幾つかの理由が挙げられている。代表的なものとして、バイデン政権は事前に学生ローンの免除やハードドラッグの合法化を行っていた。これで、若者が民主党に投票したというのだ。また、中絶問題があった。女性の権利である中絶が、これから出来なくなるという危惧から女性が民主党に投票したというのだ。これらは理由の一つかも知れないが、これだけで今回の選挙結果を説明することは出来ない。やはり2年前と同じように「謎の現象」が、特に激戦州で起きたのではないか。それを米国の著名な経済学者(サプライサイド経済学の推進者)であるポール・クレイグ・ロバーツが論説で言っている。 彼は先ず、11/9のCNN(左派メディアの代表格)の出口調査の結果を提示している。同じ中間選挙である2022年と2018年のCNNの出口調査の結果を比較している。対象は女性・穏健派・若者・有色人種・都市部の有権者・大卒者・無党派層についてだ。実は、今回の選挙では、これら全ての民主党の支持率が顕著に低下している。これは先に挙げた民主党が予想外に善戦した結果と矛盾する。 例えば、女性の民主党の支持率は4年前と比べて、19%から8%に激減した(中絶問題はどうなったのか?)。若者(18歳から29歳)の民主党の支持率は35%から28%に減り、30歳から44歳では19%から4%に激減している(学生ローン免除の影響はどうなったのか?)。黒人女性の民主党の支持率は85%から78%に減り、黒人男性の民主党の支持率は76%から65%に減っている(BLM運動はどうなったのか?)。そして、都市部の民主党支持率は33%から17%に激減した。中間層の民主党の支持率は26%から15%に減っている。つまり、2018年と比べ民主党の支持基盤の全てが弱体化しているのだ。それにも拘らず、今回の選挙では民主党が予想以上に善戦した。これはどういうことなのか。ロバーツ氏に言わせると、「謎の現象」が再び起きた、特に激戦州で起きたとしか考えられないと言う。 謎の現象の激戦州その1。ペンシルベニア州の上院は民主党のジョン・フェッターマンが当選した。彼は脳卒中の後遺症で話すこともままならない。なので、上院議員を務めるのは無理だろうと言われていた。しかも彼の政策は犯罪者を刑務所から解放するという過激なものだった。そういう人に、ペンシルベニア州の良識ある人たちが投票したのだろうか。信じられない。これは謎の現象だとロバーツ氏は言う。 謎の現象の激戦州その2。ジョージア州は2年前も大変なことが起きた。今回の選挙結果は、州知事選は共和党のケンプ(反トランプ)が大差で民主党を破った。しかし、上院選は共和党の候補者ウォーカー(フットボールのスター選手でMAGA)が50%の得票を得られず12月の決選投票となった。州知事選で共和党に入れた有権者が、果たして上院選で民主党に入れるだろうか。それも大して人気のないケンプが大差で勝って、人気抜群のスター選手が過半数を取れなかった。これは謎だという。 謎の現象の激戦州その3。アリゾナ州共和党州知事候補はカリー・レイクで上院議員候補はブレイク・マスターズだ。一昨日の時点で未開票の票が60万票もある。その未開票の殆どが共和党の強い地盤の票だった。郵便投票を信じない共和党支持者は「選挙当日」に投票した。ここでもおかしなことが起きていた。開票途中の状況だが、人気抜群の極右(トランプ支持の候補者はマスコミから極右と呼ばれる)のカリー・レイクに投票した人が107万人もいて、その内の6万4千人もの人が極左民主党の候補者に投票したというのだ(ブレイク・マスターズは100万票余り)。これは謎だという。上院議員選で負けたブレイク・マスターズは、次のようにコメントした。「敗北宣言はしない。46度の厚さの中で、ドアをノックしてくれたわたしの仲間のために、投票してくれた100万人以上の人たちのために、全ての合法的な票を数える。勝者を決めるのはメディアではなく投票者だ」。この発言は頷ける。 つまり、2年前に起きたことと同じことがまた起きたのだ。特に激戦州で民主党候補の票が激増するという現象が起きた。これがロバーツ氏が見ている状況だ。特に、民主党候補の票が突然伸びると言う状況だ。これがなぜ起きるかというと数日経っても届き続ける郵便投票がある。こんな状況だと、2年後にまた同じことが起きるのではないかと予想される。だが、ロバーツ氏は一つだけ希望の持てる指摘をしている。 それはフロリダ州の選挙結果だ。フロリダ州州知事選は共和党のロン・デサンティスが、上院議員選は同じく共和党のマルコ・ルビオが大差で勝利した。それだけでなく下院議院選でも共和党が圧勝した。フロリダ州ネバダ州やアリゾナ州と同じくスィングステート(選挙の度毎に共和党が勝ったり民主党が勝ったりする州)と言われる。それが州知事選や上院議員選の大差での勝利だけでなく、下院議院選でも共和党が圧勝した。2年前は16-12で共和党が辛うじて勝ったが、今回は20-8と共和党は大差で勝利した。これはもはやスィングステートではなくレッドステートと言える。 こうなった理由は、機械での投票から紙による投票に変え、その場で即開票するように変えたからだ。投票者は投票所を出る前に投票を終えたという確認書を受取る。紙の投票にしたら、開票に時間が掛かると予想される。だが、それは違った。ネバダ州(人口:300万)が5日経ってもまだ開票が終わっていない。アリゾナ州(人口:700万)も5日経っても開票は終わっていない。しかし、フロリダ州(人口:2200万)は1晩で開票が終わった。このフロリダ州が行ったモデル(実験!)に、米国を変える切っ掛けがあるとロバーツ氏は言う。州知事が代わらないとフロリダ州のようにはならないかも知れない。しかし、フロリダ州は全米にこのような実績を見せてくれた。これは大きいと言う。 最新の開票状況は、上院は共和党49議席民主党50議席、残り1議席ジョージア州)。下院は共和党217議席民主党207議席、残り11議席共和党過半数を取ることが確実となっている。下院で共和党過半数を取れれば、米国を変えることが出来る。及川さんはまだ希望が残っていると言います。 そして、これはもはや「右対左」ではない。これは「善対悪」だと覚えておいて下さいというツイートを紹介している。そう、今米国で起きているのは、「保守対リベラル」や「共和党民主党」の戦いではなく、「善対悪」の戦いなのだと思う。 (2007) 2022.11.13【米国】中間選挙の激戦州で謎の現象が再び【及川幸久−BREAKING−】 - YouTube わたしは以上のロバーツ氏の論説を支持するので、以下のアンディ・チャン氏の論説は間違いだと思う。いつもはアンディ・チャン氏の論説を参考にしているが、今回は違う。その理由は数字で選挙結果を分析していないからだ。わたしは「米国民がバカ」だとも、「アメリカ国民の民意がリベラル、左傾化し、DSに引き摺られた結果」だとも思わない。ただ、選挙が盗まれただけだと思う。もう「謎の現象」を起こしてはならないと多くの米国民は考えている。今回の選挙で分かったことは、「善対悪」の戦いだと言うことだからだ。 ~~~~ AC通信No.917 (2022/11/14) AC 論説No. 917 共和党の惨敗 赤い波(The Red Wave)は起きなかった。あれだけ共和党の人気が高かったのに結果は惨敗に近い。中間選挙の計票は各地でまだ続いている。これまでにわかったのは上院選挙では民主党50対共和党49議席で、残りの一席はジョージア州上院議員選挙が12月5日の決選投票で決まる。共和党が勝てば上院は50対50議席となって、法案投票が対となったら副大統領カマラ・ハリスが決定票を投じることになるから民主党が優勢となった。 下院の結果は月曜日現在までで共和党212対民主党204で、共和党過半数218議席を取って多数派となる可能性が高い。しかし多数派でも3席から5席ぐらいと思われる。 投票日の前日まではもっぱらRed Waveの予想で共和党大勝利で下院20議席、上院は2議席から4議席多数となる見通しだったのに結果は上院で負け、下院も10席以下の多数となる見通しである。これでは共和党の惨敗という他はない。 どうしてこんな結果になったのか。バイデンはアメリカの歴史始まって以来最悪の大統領で、就任して2年足らずでこの国を滅茶苦茶にしてしまった。今では経済悪化、40年来のインフレ、国境問題と違法移民、麻薬の氾濫と犯罪の増加など、全てが民生問題に直結している。それなのに国民投票の結果は共和党の40年来のブザマな負け方である。 国民はこの選挙を国の現状ではなく、民主党共和党の政党争いと思って民主党に投票したのだろう。国内で国民の生活に直結する問題が起き、国外ではアフガン撤退の大失敗やアラブ諸国アメリカ軽視、諸国のアメリカ離れが起きている。それなのに国民はバイデン続投に票を入れたのだ。なんという結果、唖然とする他はない。 サヨクメディアの影響もあっただろう。でも、総じて言えば国民がバカだからである。アメリカ国民の民意がリベラル、左傾化し、DSに引き摺られた結果である。 このような結果となったので囂々たるトランプ批判が起きた。投票前はトランプの支持が候補者の大きな助けだったのに、選挙の結果が出ると多くのトランプが支持した候補者が落選したと指摘するものが出て来てトランプ支持は逆効果だったというのである。勝てば官軍、負ければ賊軍だ。 トランプ支持の有る無しが選挙に影響したかどうかはわからないが、今回の投票で分かったのは国内には「トランプ嫌い」がかなり多いということだった。今回の選挙はトランプの選挙ではない。それでもトランプが嫌いだから多くの若者、女性、黒人が共和党に投票しなかった。特に顕著になったのは公務員、連邦政府でも地方政府でも公務員の中にトランプ絶対反対者がかなりいるという事だった。連邦、地方の公務員票が選挙に与える影響はすごく大きいことが分かったのだ。 トランプ批判とは違って、選挙で決定的な勝利を博したフロリダ州のデサンティス州知事の人気がすごく高まり、2024年の大統領候補に推薦してトランプ再出馬に反対する共和党員が増えた。トランプは11月15日に再出馬の決定を発表すると言っていたが、今では多くの共和党議員が発表の延期を勧告している。ジョージア州上院議員の決選投票が12月5日に行われるからトランプは出馬の発表を遅らせるべきという意見は党員、国民の多くが賛成である。トランプが明日発表するかどうかはわからない。 トランプの影響以外に大きな影響を与えたのはバイデンが大統領命令で学生の学費負債免除を発表したことである。これは実に卑怯な買票行為である。もともと大統領には政府の金を左右する権利が無い。けれどもバイデンが負債を免除すると言えば若者が民主党寄りになる。しかも負債免除に反対しているのは共和党だと言ったら若者は更に反共和党になる。こんな卑劣な買票行為で多くの若者が民主党に投票したのだ。 アメリカでは2年後の選挙運動が始まったがまだ2年もあるので民主党共和党ともに予測は難しい。現状を見るとトランプは出馬すると思う。デサンティスも出馬するだろう。トランプの人気は今も高いが下がり気味で、デサンティスの人気は上昇気味である。民主党側もバイデンが出馬しない可能性がある。しかしバイデンに代わる有力候補はまだいない。 ======= AC 通信  ===== 以上、成田

成田透氏のプロフィール
日本アイ・ビー・エム(株)に30年勤務。システムズ・エンジニア(SE)として、金融機関(都銀・長信銀)を担当。退職時は金融システム・ソリューション部長。
退職後はIBM関連会社の役員を歴任。最後は(株)エムティーアイで常務取締役ITセンター長。
数々の大規模システムの構築や大規模プロジェクトを成功裏に実施した。現在72歳。